NEWSニュース
【マッチレポート】プレシーズンマッチ第2戦 東芝ブレイブルーパス東京戦
ジャパンラグビーリーグワンの開幕まで100日を切り、より一層トレーニングに熱が入る静岡ブルーレヴズは、10月2日(土)プレシーズンマッチの第2戦を迎え、同じディビジョン1所属の東芝ブレイブルーパス東京と対戦に敵地の東京へと乗り込んだ。
9月19日(日)におこなわれたオープニングマッチは、豊田自動織機シャトルズ愛知に5-31で敗戦。ホーム・エコパスタジアムでの開催だっただけに、注目の集まる中での結果に満足しないものの敗戦の中にも光明はあり、堀川隆延監督は「タックルしてから起き上がる速さなど、アティチュードの部分は過去一番によかった」と振り返る。
それでも、勝って自信をつけたい。勝つことこそがプロフェッショナルクラブの使命――。チームはそんな勝利への強い思いを胸に、東芝戦に臨んだ。
メンバー構成は初戦同様、ルーキーのFL庄司拓馬がゲームキャプテンを務める若手メンバー中心も、初戦で出番のなかった両PR、伊藤平一郎、植木悠治らが先発に名を連ねた。
さらに新加入のCTBクリントン・スワートも先発で登場。期待のルーキー、NO8杉原立樹、SO岡﨑航大も途中出場でデビューを飾り、ブルーレヴズの初勝利に花を添えた。
東芝ボールのキックオフで試合は始まった。
開始直後にチームを勢いづけたのは、9年目を迎え貫禄が出てきたNO8松本力哉とチームを引っ張る元気印のCTB鹿尾貫太だ。ファーストタックルから相手の懐に突き刺さり、好タックルを連発した。
前半4分にモールで先制トライを奪われたものの、7分にブルーレヴズもモールでお返し。7-5と逆転に成功した。
続く14分には、FL庄司やLOフレッド・ヒュートレルのジャッカルが決まり敵陣深くに入る。最後はSOサム・グリーンからのパスを受けたLOヒュートレルがインゴールに入った。
ブルーレヴズはこの日、スクラムでも奮闘。セットプレーの強さ、こだわりはヤマハ時代からしっかりと受け継がれ、17分のファーストスクラムからプレッシャーをかける。23分には敵陣22メートルライン付近で組まれた相手ボールスクラムでペナルティを奪った。
ブルーレヴズはその後もスコアを重ねた。
CTB鹿尾が得意のディフェンスだけでなく、アタックでも躍動。35分に縦のランで中央を突破して、WTBマロ・ツイタマのトライをおぜん立てすると、前半終了間際にはSOグリーンのショートパントに反応して捕球、そのまま走り切った。26-5で迎えた後半4分には、今度はディフェンスで見せる。素早く間合いを詰めて、WTBツイタマのインターセプト、2トライ目につなげた。
その後はCTB石塚弘章、WTB中井健人がトライを挙げるなどリザーブメンバーの走力も光った。
序盤から気持ちの入ったプレーを見せて好タックルを連発。先へ先へとスコアを重ね前半に4トライ、後半にも4トライを加え、終わってみれば50-17の大勝。
静岡ブルーレヴズとしての嬉しい初勝利を飾った。
攻守にわたる活躍を見せたCTB鹿尾は「ブルーレヴズになってからガラッとシステムが変わって、自分の生きるプレーが増えた」と振り返る。今季より有賀剛アシスタントコーチのもと、「ボールを縦に動かす」アタックへと改造中のブルーレヴズ。「横にパスを振るだけでなく、近場での小さいゲインを重ねて相手を崩したい」と堀川監督。そのために、接点に近いところでのパススキルは重点的に取り組んできた。
初戦の敗戦からどう成長するのか、新たなチャレンジをどれだけできるかが大事だった第2戦はその確かな成果が出てきた勝利だったと言えるだろう。
ゲームキャプテンのFL庄司も「ブルーレヴズとしての初勝利を素直に喜びたい。練習していたことがしっかり出せた」と振り返った。2試合連続でのゲームキャプテン抜擢だが、「よいプレッシャーと捉えて自分の成長につなげたい」と前向きだ。若いメンバーのリーダーシップには目を見張るものがあり、4年目の鹿尾も「チームを鼓舞しようという気持ちは去年よりも数段上がった」と話す。
一方で、SH矢富勇毅、FL三村勇飛丸、LO大戸裕矢、HO日野剛志、WTB伊東力らシニアメンバーと呼ばれる選手たちが主体となったミーティングも頻繫に開かれ、「プロフェッショナルクラブになるためには何が必要か」の議論を続けている。
ブルーレヴズに生まれ変わってから4か月あまり。芽生え始めているグラウンド内外での”プロ意識”が、目の前の勝利とリーグワン初代王者への道を作っていく。