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【退団選手メッセージ】矢富 勇毅 選手 Message from Yuki Yatomi
2023-24シーズンで静岡ブルーレヴズを退団となりました矢富 勇毅 選手からファンの皆様へメッセージが届きました。
改めまして、在籍期間中の多大なるご支援・ご声援誠にありがとうございました。
矢富 勇毅 Yuki Yatomi
ポジション:スクラムハーフ(SH)
生年月日:1985年2月16日
身長/体重: 176cm/85kg
出身:京都府
経歴: 京都成章高校→早稲田大学
在籍年数:2007年~2024年(17シーズン)
日本代表キャップ数:16
ヤマハ発動機ジュビロ/静岡ブルーレヴズでのラグビー生活を振り返って
引退すると決めてからの反響があまりにも大きくて、「引退したんだなぁ」と思う暇もなく、まず感謝せなあかんなぁとバタバタ過ごしてきましたが、やっと落ち着いてきました。
150CAPのセレモニーをしてそのあとすぐ引退って発表して(笑)、いろいろしゃべる機会も多かったし、今はほんとめっちゃすっきりしてます。
でもちょっと、改めて実感が湧いてくると寂しいというか、冷静に「もう練習することも、シーズンに向けて身体を調整することもないんやなぁ」と思うと、ロスな感じですね。
僕はシーズン終わったら一回ラグビースイッチをOFFにするんですけど、今は次の指導者という道に向かっていることもあり、気になっていろんな試合を見たりします。例えば太陽生命セブンズのアザレア・セブンの試合を見にいきました。後輩で一緒にハーフ団を組んでた清原(祥)が監督として始動している姿とかを見ながら、自分は今後どうやって選手と関わっていこうか、とかを考えていました。
今までは自分が大ベテランでしたけど、これからは一番新人になるんで。選手にとってラグビーに関わる人生をより良いものにしてあげたいなぁと思います。若い選手たちにも、どういうマインドで練習に取り組むのか、どう考えて行動していくのか、一番近い存在として役に立てたらいいですね。
僕はこれまでのラグビー生活で、まず目標を設定して、例えばこのクラブで優勝とか、ケガも多かったんでその時はそこから早く復帰するとか、その目標から逆算して日々の時間を頑張る、というスタンスでやってきました。
その中には弟と一緒に試合に出る!というものもありましたし、30代後半には「40歳までやってやる!」というのもありました、しかも最高のパフォーマンスができる身体で。そうするにはどうすればいいのか、ストイックに考えてやってきたつもりです。これが正しいかどうかはわからない、けど競技面でも人間的な面でも、本当にたくさんの知識や想いを学ばせてもらいました。その中で試行錯誤をしながら、もちろん失敗も挫折もしながら、自分なりにここまでやってこれたのはこのクラブだったからやと思いますね。そのご褒美を最後にいただけて、こんなに皆様に温かい言葉をかけていただけたのかなと思います。
その中で2シーズンは選手兼コーチングスタッフもさせていただきました。貴重な時間でしたね。でも思った以上にきつかった。自分の練習した後にミーティングしてビデオも見て、自分のプレーも追い求めながらチーム全体のことをしっかり考える、なんと難しいことかと(笑)でもこの経験があったからこそ新しい目線も入ってきましたし、この段階でコーチングに少しでも関われたことを次のシーズンから生かしていきたいです。
チームって生き物だと思うんです。いろんなこと経験して、常に変化して、いろんな考え方に柔軟に対応していく。時代も変わればラグビーも変わる。そんなことを感じる時間でした。最高のラグビー人生でしたね。
また、名前こそ変わりましたがこのクラブはヤマハ発動機があってこそのクラブやと今でも強く思っています。もちろん今の「ALL FOR SHIZUOKA」も、僕大好きなんですよ。どの地域にラグビー普及に行っても歓迎されるし温かく迎え入れてくれる、静岡の地にラグビーを知って楽しんでくれる人を増やしていく、めちゃめちゃ多くの人がスタジアムに来てくれる。これはとても大切なことです。だからこそ地域への普及活動はこれからもどんどん注力して進めていってほしいですね。
でもその中で、過去辛い時に支えてくれたのはヤマハ発動機で、それがあったからこその静岡ブルーレヴズがあると。この気持ちや出来事は、自分の中では忘れない。
チーム縮小を経験した現役選手は僕が最後なんです。来シーズンからは2012年入団の大戸と日野が最年長ですね。この経験を今のメンバーは経験してほしくない、賛同も共感もしなくていい、でも、そういう歴史があるということは知っていてほしいなと思います。今のラグビー界も、物凄いスピードで変化していってますよね。新しくなっていくことも多いけど、失われていくこともものすごく多い。でも忘れちゃいけないことも絶対ある、と僕は思います。
余談ですが、その時に僕はプロ選手から社員になり、広報の部署に配属されました。
まずは自分のTwitterアカウントをいち早く作りましたね!当時では先陣を切ってYouTube番組とかも作って、なかなか新しいことをチャレンジしていたと思います。いまはどんどんそれが進化していって、やり方とか使い方もアップデートされて逆に追いつかんくなりました。今は後輩に使い方とかを教えてもらうんですけど...なかなか難しいですね(笑)
これからもっと静岡ブルーレヴズはみなさんに愛されるクラブでいてほしいと思いますが、それにはまず自分が愛していかないといけない。両軸あるんですけど、どっちかが甘えると崩れていく。だから支えてくれる全ての方々を愛して、より一層の愛を育んでいきたいです。なんか言い方ちょっと違うかもやけど(笑)。僕このクラブと同い年なんですよ!40周年!僕も引き続き、このクラブを愛していきますよ。
今シーズン一番印象に残っている試合や出来事
そりゃもう、開幕戦よ!80分出たんやから(笑)!あれはもう一生忘れんと思う。
この歳で、開幕スタメンでもおお~ってなるのに、80分出させてもらって。カテゴリーの枠の問題もあったんですけど、でももちろん事前にそんなこと言われるわけもないし、1ミリも想像してなかったですね。
疲っれ切ったよ。ほんまに(笑)。試合の内容としては負けてしまったし悔しい試合でしたけど、印象に残りまくってますね。
あと、ホストゲームのサントリー戦。これは僕が大チョンボしてしまった試合です。大ベテランが何してんねん!っていう、ディフェンスを詰めてはいけないところで詰めてしまってトライ取られてしまって。しかも勝てたかもという試合だったので、あれがなければ...と思うと。ラグビー人生で何回こんなミスしとんねんって。
あとこれは、印象に残っているというかほんの少しの心残りですが、アイスタでラグビーしたかったなと。静岡ブルーレヴズになってIAIスタジアムで試合する機会ができましたけど、僕は出場できませんでした。あの最高な芝生の上で思いっきりラグビーしてみたかったな、というのはあります。今シーズンはバックアップメンバーで、アップだけ入らせてもらいましたが、ふっかふかで「最高やな~」と思いました。
レヴニスタの皆様へ感謝のメッセージ
皆様、まずは今シーズンのご声援ありがとうございました。8位という結果には誰も満足していませんが、皆様の応援が僕たちの背中を大きく押してくれていました。
来シーズンから選手としての僕はいませんが、この悔しさを味わった残りのメンバーたちが必ずや奮起し強くなってくれると確信しています。そのために僕も支える立場として全力で選手に向き合っていきますので、今年以上の応援で選手たちを支えていただき、これまで以上の成果を一緒に味わえるよう熱いご声援をよろしくお願いいたします。
そして、長い間、矢富勇毅というラグビー選手に対してのご声援も本当にありがとうございました。一人一人にお会いして感謝の言葉を伝えたいと思ってはいるのですが、なかなかそうもいかずここでお伝えさせてください。本当に幸せなラグビー選手生活を全うすることができました、皆様の応援のおかげです。
これからは、コーチとしてチームを支えたいですし、お会い出来た際にはぜひには声をかけていただきたいです!またすぐにお会いましょう!