試合プレビュー / 注目選手
1月に開幕するジャパンラグビー リーグワンに向け、ヤマハ発動機ジュビロから静岡のプロフェッショナルラグビークラブとして生まれ変わった静岡ブルーレヴズ。
6月22日のクラブ設立から約3か月を経て、いよいよ明日、豊田自動織機シャトルズ愛知とのオープニングマッチに挑む。
この記念すべき一戦を、2019年ラグビーワールドカップの熱狂の舞台となった静岡のエコパスタジアムで迎え、歴史の1ページをスタートできることは偶然ではなく必然。
残念ながら、無観客開催となったが、プロフェッショナルラグビークラブの船出を静岡ブルーレヴズのファンのみならず、静岡の人々、そして全てのラグビーファンに画面越しにでもぜひとも見届けてほしい。
今試合の見どころは、前身ヤマハ発動機ジュビロ時代に独自性を貫き築き上げられた、ヤマハスタイルがレヴズスタイルになってどう進化したか。
特に注目したいのはアタック。堀川監督が「昨年までとは全く違う戦略」と断言するスタイルは、シンプルに表現するとボールをワイドに動かすより、ボールを前に出すアタック。どんなストラクチャーでゲインラインを突破するか、そしてもちろんヤマハ発動機ジュビロから継承する伝統の強力なスクラムからも目が離せない。
この記念すべき一戦、全ての選手に注目したいが、あえて1人だけ挙げるならこの選手を選びたい。
ルーキーにしてゲームキャプテンに大抜擢された、No.8 庄司 拓馬。
「プレッシャーは背負ってはいない。皆にサポートしてもらいながら、日頃から意識しているリーダーシップを発揮したい。」と話す庄司選手が、4月に入社するや数週間後にはトップリーグの舞台で鮮烈なデビューを飾ったことは記憶に新しい。日本代表の選手、インターナショナルレベルの選手との試合を通しての激しいコリジョンの中で、自身の強みと弱みを思い知ったが、トーナメントの大一番に立ったその経験は、今確実に活きている。
あの日から、サイズがなくとも大型外国人選手にブレイクダウンで勝ち切るために、日本人らしさを前面に出したプレーを磨いてきた。リーダーシップとそして得意のジャッカルのみならず、フィジカルと頭を使った、気の利いた、そんなプレーにも期待したい。
明日を前に今思うことを聞いてみた。
「ヤマハ発動機ジュビロから静岡ブルーレヴズになり、引き継ぐもの、新しく創り出すもの、そして、静岡ブルーレヴズが始まるということを感じてもらえる試合にしたい。」
きっとそんな試合になるに違いない。